潮騒の宝箱

海の生き物が大好き、その中でも和歌山県で採集した大好きな貝類を中心に紹介しています。過去スレへのコメントも大歓迎です(=^ ^=)/
潮騒の宝箱 TOP > スポンサー広告> 豆知識 > DNAでの貝類の比較

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

DNAでの貝類の比較

今日は少し遊んでみます。

ミトコンドリアDNAのシトクロムオキシダーゼサブユニットI (cytochrome c oxidase subunit I)遺伝子(COⅠもしくはCOX)の650bp前後の領域の塩基配列を利用して貝の系統解析してみます。

・使用するソフト
テキストエディット
seaview 4.3.0 手動でのアライメント編集(フリーソフト)
ClustalX 2.1 自動アライメントソフト(フリーソフト)
Njplot 2.3 系統樹作成(フリーソフト)

・データ
データベース(NCBI http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)

A.png
配列データはこんな感じ(クリックしたら大きな画像がご覧頂けます。)

まず、系統解析の比較には対象が最低でも4サンプル以上必要なので
ハツユキダカラ2個体(NCBIのものはフィリピン産?、もう一つは私が解析したものです。)
そして、リュウグウオキナエビス
比較には『ある程度近いが遠い種』をアウトグループ(外比較種群)として設定します。
この場合、『同じ腹足類だが目レベルで異なる』リュウグウオキナエビスを用いています。
(とくにこの種を選んだ意味はありません。)
見方ですが、単純に言えば左側に近い方で分岐しているもの程、分岐年代が古く、右側に近いところで分岐しているもの程、分岐年代が浅いといえます。もちろん、浅いものほど近い種類という事になります。
cypraea1.jpg
*なんだか、和歌山産のハツユキとセトモノは凄く近い結果……。

次にハツユキに近いと思われるラマルクダカラを追加して再解析
cypraea2.jpg

今度は近年、別属に移されたクロユリダカラを追加
cypraea3.jpg

更にディルウィンダカラ
cypraea4.jpg

更にタカラガイ科の中でも縁が遠そうなテラマチダカラと近縁科のウミウサギ科のウミウサギを追加
cypraea5.jpg

最後にデータベースにあるコモンダカラ亜科に含まれる全種を追加
cypraea6.jpg
まま、納得いく結果ですね。(緑の正方形の場所が属単位かな…)
テラマチダカラはやはりErosariaとはかなり縁遠いようですね。
セトモノはこれで見る限り、ハツユキと同種ではないかと思います。
ディルウィンはシボリに近いようです。
ハワイカモンは確かに別種のような感じ。
ただ、種の概念は難しくどこから先が種として違うのかと言うと難しいです。
生物の分類群によってもかなり違うでしょうし、同種でもかなりの変異を含むものもあります。
今回、使用した領域は『同種内では変異が少なく、別種ではかなり違う』と言われていて動物の分類では広く使用されている領域です。

通常、突然変異による誤差を除くためにもっと多くのサンプルで比較します。
1つデータでは、突然変異による『たまたま』と言うことがあり得るからです。
ですから、このデータが『絶対』と言う訳ではありません。
ですから参考程度にご覧頂けると幸いです。

あと、データベースにある色んな研究機関のプロジェクトによるデータサンプルが同定ミスをおかしてないという補償もありません。
(タカラガイではほぼありえないと思いますが、ウミウサギのデータを比較したところヨーロッパの研究機関のウミウサギの同定は同定ミスが多いように感じます。)

比較で注意しなければいけないことはアライメントはコンピューターが塩基の違いの数を計算して行うものなので、あまり遠い種群を同時に複数比較するのは好ましくありません。
(たまたま、置き換えの数が似てしまうことがあるからです。)
例えばタカラガイ科でも複数の属の種を同時に行うとあまり良い結果が出ませんでした。
思いもよらない不細工な結果が出る場合があります。
ですから、できれば近しい種同士で行うのが好ましいです。

最後におまけ
ハツユキダカラをアウトグループに設定してオキナエビス科の種を比較したものです。
ルカイヤはヒメとヒメアカネはアカネと同種と思ってしまうほど近いですよね。
逆に同じテラマチ(もし絶対に同定ミスがないなら)でもかなり離れています。
 *属名がまちまちバラバラなのは研究者の見解の違いです。
okinaebisu.jpg

どうでしたでしょうか^ ^?
これらは必要なプログラムとデータ、多少の知識があれば誰にでもできますので是非トライしてみてください。

参考文献
分子進化-解析の技法とその応用-(宮田 隆 共立出版 1998年)
関連記事
[ 2013/09/18 21:09 ] 豆知識 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック:
この記事のトラックバック URL

プロフィール

Mozu

Author:Mozu
幼い頃から都会で育ち海への憧れは人一倍でした。思い出として残る貝殻が大好きです。              

私の本
ウミウサギ 
-生きている海のジュエリー
コレクター目線とダイバー目線の両方からウミウサギの魅力を紹介した私の著書です。      ご覧頂ければ幸いです。    
カテゴリ
ナショナルジオグラフィック
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

QRコード
QR