潮騒の宝箱

海の生き物が大好き、その中でも和歌山県で採集した大好きな貝類を中心に紹介しています。過去スレへのコメントも大歓迎です(=^ ^=)/
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カンダニシキニナ

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Fusolatirus kandai (KURODA, 1950) カンダニシキニナ
イトマキボラ科 ツノマタガイモドキ亜科 
 2002年12月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深40m 40mm

模式産地:和歌山県 日高郡白崎村大引(現、和歌山県 日高郡由良町大引)
分布:伊豆半島、紀伊半島、四国(土佐)、九州西岸、フィリピン
   潮間帯下部〜水深120m 岩礁

刺し網に時々掛かる均整のとれた奇麗なな貝です。

本種の学名、和名は白崎出身で貝の収集家、神田耕一郎氏(1873年〜1961年)に献名されたものです。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

アライトマキナガニシ

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Fusinus salisburyi FULTON, 1930 アライトマキナガニシ
イトマキボラ科 ナガニシ亜科 2007年4月 南部堺港揚がり 切目崎沖 水深100m ヒラメ刺し網 194mm

模式産地:和歌山県
分布:房総半島、紀伊半島、四国、九州
   水深20〜100m 砂底

日本近海固有の大型のナガニシです。
九州西岸から西に生息するforceps (PERRY, 1811) イトマキナガニシの1型とされることがありますが、こちらには顕著な縦肋がなく区別されます。
深い場所から他のナガニシ類に混ざって混獲され珍しくありません。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ハシナガニシ

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Fusinus longicaudus (LAMARCK, 1816) ハシナガニシ
イトマキボラ科 ナガニシ亜科 1995年12月 南部一本松港揚がり 田辺湾口 エビ刺し網 水深30m 139mm

模式産地:不詳
分布:駿河湾、紀伊半島、四国、山口県北部、九州、東シナ海
   水深30〜100m 砂底

ナガニシ類は非常に似たものが多く、中には外観では判断できない個体もあります。
多くの種に分類されていますが、ゲノムの解析ではお互いの分岐年代は非常に浅いです。
(実際には交雑によって生まれた個体もあると思います。)

文献によってはcolus (LINNAEUS, 1758) ホソニシの異名とする場合もあるようです。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

チトセボラ

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Fusinus nicobaricus (RÖDING, 1798) チトセボラ(ナダヨナキ)
  Syn: brenchleyi BAIRD, 1873、variegatus PERRY, 1811、marmorata RÖDING, 1798
イトマキボラ科 ナガニシ亜科 2002年4月 南部堺港揚がり 富田沖 エビ刺し網 水深20m 128mm

模式産地:ニコバル諸島
分布:伊豆半島、紀伊半島、四国、九州、奄美大島、沖縄県、フィリピン、
   オーストラリア(クイーンズランド州)、インド洋
   潮間帯下部〜水深30m 岩礁

本種もまた手に入るだろうと、結局、良い標本を残せなかった貝です。
一度、200mm近いヤドカリ入りの死殻を見た事があるのですが、今思えば持ち帰れば良かったと後悔しています。
昔はエビ刺し網で珍しい貝ではありませんでした。
ナガニシ類は軟質底を好む種と、本種のように岩礁を好む種に分かれます。

本種の古名に『ナダヨナキ』と言うのがあるのですが、この『ナダ』は御坊市の『名田』のこと?
もしそうだとして、『ヨナキ』は何なのかとても気になります。
インド洋西部やブラジルに数種の似た種があります。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ツノキガイ

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Filifusus glabra (DUNKER, 1882) ツノキガイ
イトマキボラ科 イトマキボラ亜科
   2014年7月 串本町 潮岬 展望駐車場下 水深3m 105mm

模式産地:不詳
分布:伊豆諸島、紀伊半島、四国(土佐)、九州西岸
   潮間帯下部〜水深20m 岩礁、岩礫底

エビ刺し網にも掛かりますが、素潜りで採集できるような比較的浅いところにもいます。
(本種は日本固有種のようです。)
通常はかなりなで肩の個体が多いのですがこの個体はイトマキボラのように肩が張っています。

現在、Pleuroploca属からtrapezium (LINNAEUS, 1758) イトマキボラとは所属の異なる上記の属に移されていますが、どの辺りの違いで分けているか良くわかりません。

この科の種の多くは鮮やかな赤い軟体をしていて、他の巻貝の殻口から吻を突っ込んで丸呑みにしてしまいます。
アメリカ南東岸産のTriplofusus giganteus (KIENER, 1840) ダイオウイトマキボラが同科のFasciolaria属のチューリップボラ類を好んで襲って食べる事は有名です。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ヘソアキツノマタ

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Nodolatirus recurvirostra (SCHUBERT & WAGNER, 1829) ヘソアキツノマタガイ
  Syn: stenomphalus HABE & KOSUGE, 1966 キラヘソアキツノマタガイ?
イトマキボラ科 ツノマタガイモドキ亜科 
 2004年12月 印南漁港揚がり 切目崎沖 エビ刺し網 水深50m 91mm
 2002年10月 印南漁港揚がり 切目崎沖 エビ刺し網 水深40m 83mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、四国、九州西岸、奄美大島、沖縄県、フィリピン
   潮間帯下部〜水深60m 岩礁

和歌山のエビ刺し網では名産の貝の1つです。
写真の下の個体は殻皮を除去した状態で、stenomphalus HABE & KOSUGE, 1966 キラヘソアキツノマタガイと呼ばれるものだと思いますが私にはこの2種は同種に見えます。
臍孔が広いものを本種、狭いものをキラヘソアキツノマタガイとするらしいですが中間的なものも存在します。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ボットツノマタガイ

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Nodolatirus nodatus (GMELIN, 1791) ボットツノマタガイ
  Syn: rosaponti LESSON, 1842、rigidus W. WOOD, 1828、multinoda PETIT de la SAUSSAYE, 1842
イトマキボラ科 ツノマタガイモドキ亜科 2007年12月 南部堺港揚がり、富田沖 エビ刺し網 水深30m 79mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、奄美大島、沖縄県、台湾、フィリピン、マーシャル諸島、西オーストラリア
   潮間帯下部〜水深30m 岩礁、サンゴ礁

紀伊半島からの産出は極めて稀ですが、オゴクダの打ち上げでも得られています。
ボットとはミクロネシアにある環礁(円環状に広がるサンゴ礁のこと)の名前です。

似た種に白っぽく肋間が紫彩されるlanceolata (REEVE, 1847)が知られますが、こちらも日本から産出しても不思議ではない貝だと思います。
本種に近縁な数種は一時、Latirus属からfastigia (REEVE, 1847) ベニマキガイが所属するBenimakia属に移されましたが、昨年、新設されたNodolatirus属 (BOUCHET & SNYDER, 2013)にrecurvirostra (SCHUBERT & WAGNER, 1829) ヘソアキツノマタガイなどとともに移されてます。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

リュウキュウツノマタガイ

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Latirus polygonus (GMELIN, 1791) リュウキュウツノマタガイ
イトマキボラ科 ツノマタガイモドキ亜科 2002年4月 串本町 有田錆浦 潮間帯 49mm

模式産地:太平洋
分布:紀伊半島、四国、九州、奄美大島、沖縄県、フィリピン、インドネシア、
   オーストラリア(クイーンズランド州〜西オーストラリア)、紅海、タンザニア、
   セーシェル諸島、マダガスカル
   潮間帯下部 岩礁

春の大潮の時に採集しました。
やや小さいですが和歌山では少ない貝だと思います。
縦肋が白くなるbarclayi (REEVE, 1847) シロウネリュウキュウツノマタガイ(ナンヨウツノマタガイモドキ)は以前は本種の1型とされていましたが現在は別種と見なされています。(目録には紀伊半島以南になっていますが…どうでしょう?)

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

クチベニツノマタモドキ

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Peristernia reincarnata SNYDER, 2000 クチベニツノマタガイモドキ
  Syn: incarnata KIENER, 1840
イトマキボラ科 ツノマタガイモドキ亜科 2007年12月 南部堺港揚がり 切目崎沖 水深50m エビ刺し網 23mm

模式産地:西太平洋
分布:紀伊半島、四国、九州南部、奄美大島、沖縄県、フィリピン、オーストラリア(西オーストラリア)、
   紅海
   潮間帯下部〜水深50m 岩礁、サンゴ礁

漁師さんに船に乗せてもらってデッキの上で採集したもので、長く放置されていたのか生貝だと思いますがフタがありませんでした。
オゴクダの打ち上げでも見られるようですが多い貝ではないようです。

以前の学名は無効名になったようで新しく学名がつけられています。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

キンスジコツノマタ

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Teralatirus noumeensis (CROSSE, 1870) キンスジコツノマタガイ
イトマキボラ科 ツノマタガイモドキ亜科 2006年7月 串本町 潮岬 オゴクダ浜 打ち上げ 14mm

模式産地:ニューカレドニア ヌーメア
分布:紀伊半島、四国、九州、奄美大島、沖縄県、オーストラリア(西オーストラリア)
   潮間帯下部〜水深50m 岩礁

オフ会時に採集した標本です。
本種を初めて採集したときクダマキの仲間と思ってしまいました。
最近の分類では本種をCrassicantharus属(PONDER, 1972 )というエゾバイ科 エゾバイ亜科の属に移す意見もありますが情報不足なのでここではとりあえず従来通りの分類に従います。

本種で300種目の紹介となります^ ^

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)
プロフィール

Mozu

Author:Mozu
幼い頃から都会で育ち海への憧れは人一倍でした。思い出として残る貝殻が大好きです。              

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ウミウサギ 
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コレクター目線とダイバー目線の両方からウミウサギの魅力を紹介した私の著書です。      ご覧頂ければ幸いです。    
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