潮騒の宝箱

海の生き物が大好き、その中でも和歌山県で採集した大好きな貝類を中心に紹介しています。過去スレへのコメントも大歓迎です(=^ ^=)/
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センジュガイ

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Chicoreus palmarosae (LAMARCK, 1822) センジュガイ
  Syn: rosaria PERRY, 1811、argyna MÖRCH, 1852、foliatus PERRY, 1810
アクキガイ科 アクキガイ亜科 2015年4月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深30m 118mm

模式産地:不詳
分布:伊豆諸島、紀伊半島、四国、九州、奄美大島、沖縄県、フィリピン、スリランカ、マダガスカル、
   モーリシャス
   潮下帯〜水深30m 岩礁

串本ではオグクダなどで素潜りで見かけるときがありますが南部の刺し網ではそれ程多くありません。
スリランカ産の本種はとても立派で美しく『インドセンジュ』と呼ばれ有名ですが同種です。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ハッキガイ

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Siratus pliciferoides (KURODA, 1942) ハッキガイ(ハクキガイ)
  Syn: propinquus KURODA & AZUMA in AZUMA, 1961 セキトリハッキガイ、
     hirasei SHIKAMA, 1973 タカサゴハッキガイ、vicdani KOSUGE, 1980(幼貝)、
     pliciferus G. B. SOWERBY II, 1841

アクキガイ科 アクキガイ亜科
 1996年3月 南部堺港揚がり 切目崎沖 ヒラメ刺し網 水深100m 107mm
 2006年2月 南部堺港揚がり 南部沖 水深250m 深海はえ縄 12mm

模式産地:中国
分布:房総半島、相模湾、紀伊半島、四国、九州西岸、奄美大島、沖縄県、東シナ海、中国大陸南部、台湾、
   フィリピン、トンガ、パプアニューギニア、ソロモン諸島、ニューカレドニア、西オーストラリア
   水深50〜200m 細砂底

深所の軟質底には普通に見られる貝です。
水管の長さなどでいくつか名前がついていましたが現在は異名とされています。
また、本種の幼貝はSiratus属の他の種と同様に鰭が発達し一見別種のように見えvicdani KOSUGE, 1980という名がつけられていました(下図)。Shells of the Philippines(CARLOS B. LEOBRERA著)

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)
Shells of the Philippines(CARLOS B. LEOBRERA著)

オガサワラガンゼキ

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Chicomurex superbus (G. B. SOWERBY III, 1889) オガサワラガンゼキボラ
アクキガイ科 アクキガイ亜科  
 2004年1月 南部一本松港揚がり 白浜沖 ヒラメ刺し網 水深120m 69mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、四国、九州西岸、奄美大島、沖縄県、小笠原諸島、台湾、フィリピン
   水深50〜300m 岩礁

水深100〜120m付近にcnissodus (ETHYME, 1889) シロガンゼキボラと共に普通に見られます。
(ただし、現在、この深い水深の漁は行われておらず入手は困難です。)

近年、problematicus (LAN, 1981) クマドリガンゼキボラを本種の異名としていますが間違いだと思います。
また、昨年発表されたフィリピンのlani HOUART, MOE & CHEN, 2014は本種と何が違うのか良くわからず、この周辺の種や種名の関係が何か変化があったのかのかも知れません。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

カラスキ

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Pterynotus elongatus (LIGHTFOOT, 1786) カラスキガイ
  Syn: clavus KIENER, 1842、draco RÖDING, 1798
アクキガイ科 アクキガイ亜科
  1999年1月 南部堺港揚がり 白浜沖 エビ刺し網 水深30m 91mm
  2008年4月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深30m 55mm
  2007年3月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深20m 71mm

模式産地:不詳
分布:愛知県、紀伊半島、九州西岸、奄美大島、沖縄県、フィリピン、オーストラリア(クイーンズランド州)
   水深10〜100m 岩礫底

和歌山の浅い場所の刺し網では珍しい貝ではなかったのですが
通ってるうちにどんどん見られなくなった貝の1つです。

時に下の2個体のような色付きの固体が得られます。
上の個体は特大の標本です。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

コウモリヨウラク

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Timbellus vespertilio (KURODA in KIRA, 1954) コウモリヨウラクガイ
アクキガイ科 アクキガイ亜科 
 1985年12月 南部堺港揚がり 南部沖 トロール漁 29mm

模式産地:本州中部 水深80〜100m
分布:伊豆諸島、紀伊半島、四国、九州西岸
   水深50〜200m 砂礫底

日本固有種のこの貝は有名なわりに意外と生きたものを目にする機会が少ない貝だと思います。
過去にはヨウラクガイ亜科のPteropurpura属に含められていましたが現在はアクキガイ亜科の上記の属に移されています。
この属はカリブ海の美麗種、phyllopterus (LAMARCK, 1822) ココアバショウガイや超希少種、lightbourni HARASEWYCH & JENSEN, 1979 ユウレイヨウラクガイなど大西洋の種が主となって構成されています。

過去に南部堺で底引き網漁が行われていた頃の標本で7te7teさんからの購入です。
その中でもテラマチダカラを揚げてくる事で有名な開運丸水揚げです。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

マイヒメセンジュ

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Chicoreus rossiteri (CROSSE, 1872) マイヒメセンジュガイ
  Syn: saltatrix KURODA, 1964 マイコセンジュガイ
アクキガイ科 アクキガイ亜科  
 2003年1月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深50m 56mm
 2004年3月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深70m 47mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、四国(土佐沖)、九州西岸、奄美大島、沖縄県、フィリピン、ニューカレドニア
   水深40〜200m 岩礁、岩礫底

極めて近い種のコセンジュほどではありませんが和歌山県ではそれほど珍しい貝ではありません。
本種はコセンジュと比べて極めて細かい顆粒が螺肋上に密に並び、棘はあまり発達せず、淡い色合いの個体が多いです。近海産図鑑の『水管上の棘は真下を向く』っていうのは少しあてになりません。(コセンジュにもそういう個体がありますので…)


参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

オニサザエ

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Chicoreus asianus KURODA, 1942 オニサザエ
  Syn: sinensis REEVE, 1846 non GMELIN
アクキガイ科 アクキガイ亜科 2000年1月 南部堺港揚がり 切目崎沖 ヒラメ刺し網 水深80m 103mm

模式産地:中国
分布:房総半島・能登半島、紀伊半島、瀬戸内海、四国、九州、朝鮮半島、中国、台湾
   潮間帯下部〜水深100m 岩礁

温帯域の外海の岩礁に普通に見られますが、南部の浅いところの刺し網ではあまり見た事がありません。
しかも、得られてもやや深所の網で大型の個体も少ないようです。
本種よりも南方系のセンジュモドキやガンゼキボラが多いためニッチを奪われているからかも知れません。
北部の加太海岸などでは台風の後に生きたものを拾った事があります。

和歌山では非常に近い熱帯種、ramosus (LINNAEUS, 1758)テングガイも刺し網などで得られますが遥かに少ない貝です。(私は所有していません。)

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

モロハボラ

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Aspella anceps (LAMARCK, 1818) モロハボラ
アクキガイ科 アクキガイ亜科 2002年8月 御坊市 名田町 上祓井戸 打ち上げ 16.5mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、四国、九州、奄美大島、沖縄県、クック諸島、
   潮下帯〜水深10m 岩礫地、転石や死サンゴの下

日本では上記の学名が当てられていますが、この種名は広義の種に当てられいるらしく得体がいまいち分かりません。
この属の貝は分類がやや混乱していてどの文献を信用して良いか分かりませんが、日本でモロハボラと呼んでいる貝は図の貝で良いようです。(近海産図鑑のものはアラボリモロハボラです。)
本属の貝はアクキガイ亜科の種としては異質な雰囲気がありますがinfrons VOKES, 1974 オシロイツノオリイレガイ、neglectus (HABE & KOSUGE, 1970) ワスレヨウラクガイを含むDermomurex属に近いようです。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

バショウガイ

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Pterynotus alatus (RÖDING, 1798) バショウガイ
  Syn: pinnatus SWAINSON, 1822、martinianus PFEIFFER, 1840
アクキガイ科 アクキガイ亜科 
  2009年1月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深50m 59mm
  2002年11月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 水深40m 63mm

模式産地:インド洋
分布:紀伊半島、九州西岸、奄美大島、沖縄県、台湾、フィリピン、
   オーストラリア(クイーンズランド州〜西オーストラリア)、インド洋東部
   潮下帯〜水深50m 岩礁

pellucidus (REEVE, 1845) ヒレビロバショウガイと比べると遥かに少ない種ですがレアと言う程でもありません。
良い状態のものが少ないような気がします。
文献によって使用される学名が上記であったり異名とされるpinnatus SWAINSON, 1822に分かれ混乱しているように思います。
(同種なのには違いありません。)

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ホネガイ

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Murex pecten LIGHTFOOT, 1786 ホネガイ
アクキガイ科 アクキガイ亜科 2003年11月 南部一本松港揚がり 田辺湾口 エビ刺し網 水深40m 121mm

模式産地:アンボイナ
分布:房総半島、紀伊半島、四国(土佐沖)、対馬海峡、奄美大島、沖縄県、フィリピン、
   オーストラリア(クイーンズランド州)、モーリシャス
   水深10〜50m 砂底、砂泥底

代表的な美しい貝ですが、和歌山ではやや泥深い所に珍しくありません。
大概の漁師さんは網から本種を外すのを嫌って、踏んづけて棘を折ってから外します。
漁師さんに頼んで丁寧に外してもらっておくのがベストですが……完全なものはとても少ないです。
(この標本も一見、完品のように見えますが殻頂の軸が少しずれています。)

西洋では『ビーナスの櫛』という美しい呼ばれ方をしていますが、日本では『骨貝』……捉え方の違いが面白いですね。
本種を軒先に吊るし『魔除け』とする場合もあるようです。
フィリピンなど南方に行くと殻全体が白っぽいものが増えます。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
PHILIPPINE MARINE MOLLUSKS VOLUME Ⅱ(GUIDO T. POPPE著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)
プロフィール

Mozu

Author:Mozu
幼い頃から都会で育ち海への憧れは人一倍でした。思い出として残る貝殻が大好きです。              

私の本
ウミウサギ 
-生きている海のジュエリー
コレクター目線とダイバー目線の両方からウミウサギの魅力を紹介した私の著書です。      ご覧頂ければ幸いです。    
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