潮騒の宝箱

海の生き物が大好き、その中でも和歌山県で採集した大好きな貝類を中心に紹介しています。過去スレへのコメントも大歓迎です(=^ ^=)/
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シロナツモモ

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Clanculus gemmulifer PILSBRY, 1901 form. pallidus PILSBRY, 1903 シロナツモモガイ
ニシキウズガイ科 ニシキウズガイ亜科  2005年5月 白浜町 潮間帯 9.5mm

模式産地:土佐柏島
分布:紀伊半島、四国、九州
   潮間帯下部〜水深30m 岩礫地

九州西岸以南に産するgemmulifer PILSBRY, 1901 ベニエビスガイの1型でベニエビスと異なり黒い点の前後が白い斑点になるところはナツモモガイと同様ですが本種の方は白い斑点の面積の方が若干広くなります。

本種は日本の貝類図鑑に原型のベニエビスよりも記載される機会が多いですが何故か近海産図鑑ではどちらも紹介されていません。

追記:2015年11月1日
参考にベニエビスの画像を紹介します。
本種と1型のシロナツモモの違いを上記の様に紹介しましたが、画像で見る限り白い斑点は存在し黒斑と共に非常に小さいようです。(顆粒自体が小さめ?)あとは名前のまま赤味が強いようですね。


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Clanculus gemmulifer PILSBRY, 1901 ベニエビスガイ
1993年5月 長崎県 南島原市 口ノ津町 小早崎 潮間帯 11mm

参考文献:
続原色日本貝類図鑑(波部忠重著)
決定版生物大図鑑 貝類(奥谷喬司監修)
標準原色図鑑全集3 貝(波部忠重・小菅貞男 共著
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ニシキウズ(アナアキウズ型)

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Trochus maculatus LINNAEUS, 1758 form. verrucosus GMELIN, 1791 ニシキウズ(アナアキウズ型)
ニシキウズガイ科 ニシキウズガイ亜科  1998年7月 串本町 上浦 潮間帯 45mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、九州北部、奄美大島、沖縄県
   潮間帯下部〜水深10m 岩礁

maculatus LINNAEUS, 1758 ニシキウズと比べると体層が直線的でどちらか言うと凹みます。
単に1型だと思いますが、恐らくTectus conus (GMELIN, 1791) ベニシリダカガイとその1型、hirasei (PILSBRY, 1904) ヒラセウズとの関係と似たものなのかも知れません。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ノボリガイ

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Monilea smithi (WOOD, 1828) ノボリガイ
ニシキウズガイ科 キサゴ亜科 1995年12月 南部堺港揚がり 田辺湾内 エビ刺し網 水深30m 20mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、奄美大島、沖縄県
   潮間帯下部〜水深30m 砂底

奇麗な貝でホネガイが掛かるようなところから一緒に上がってきます。
上浦では打ち上げでも採集できます。
国外の分布の記録を見つけられなかったのですが、日本固有種なのかも知れません。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ナツモモガイ

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Clanculus margaritarius (PHILIPPI, 1849) ナツモモガイ(コガタナツモモガイ)
  Syn: unedo A. ADAMS, 1853
ニシキウズガイ科 ニシキウズガイ亜科  
 2002年7月 串本町 高富 東雨 水深2m 14mm
 2011年7月 串本町 潮岬 オゴクダ浜 水深2m 11mm

模式産地:不詳
分布:房総半島・能登半島、紀伊半島、奄美大島、沖縄県、フィジー、フィリピン、ベトナム、
   オーストラリア(クイーンズランド州〜西オーストラリア)、タンザニア
   潮間帯〜水深20m 岩礁、岩礫下

小さい頃から大好きな貝で初めて高知県の室戸岬で採集した時は感動したものです。
平たい礫や死サンゴ礫の下などに群生してるのが見られる時があります。

この属の貝は各大洋の温帯域から熱帯域に分布しますが特に熱帯西太平洋からオーストラリア周辺、南アフリカにかけて多くの種があり美しいものが多いです。
インド洋のpuniceus (PHILIPPI, 1846)  イチゴナツモモガイやpharaonius (LINNAEUS, 1758) テイオウナツモモガイ、rarus (DUFO, 1840) カザリナツモモガイなどは美麗種として有名で、persica (HABE & SHIKAMA in SHIKAMA, 1968) カンスナツモモガイのような深所に産する稀産種もあります。
大きなものではオーストラリアのundatus (LAMARCK, 1816) マムシナツモモガイなどがあります。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

チゴアシヤ

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Synaptocochlea pulchella (A. ADAMS, 1850) チゴアシヤガイ
ニシキウズガイ科 チビアシヤガイ亜科 2014年7月 串本町 上浦 打ち上げ 3mm

模式産地:不詳
分布:紀伊半島、四国、九州、奄美大島、沖縄県
   潮間帯下部〜水深20m 岩礁、砂礫底

この貝にもフタが存在するらしいですが、生貝を採集してもとてもキープ出来なさそうですね。
形状の似たアシヤガイやヒメアワビ亜科の種とは縁が遠いです。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

ヒナシタダミ

ornata.jpg
Conotalopia ornata (SOWERBY Ⅲ, 1903) ヒナシタダミ
ニシキウズガイ科 キサゴ亜科 2014年7月 串本町 上浦 打ち上げ 2.5mm

模式産地:長崎県 平戸
分布:北海道南部・佐渡島、紀伊半島、九州
   潮間帯下部〜水深20m 砂底

非常な小さな貝です。
砂底に棲むモミジガイ類の胃腔からも採集できます。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

キサゴ

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moniliferum5.jpg
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Umbonium costatum (VALENCIENNES, 1838) キサゴ
ニシキウズガイ科 キサゴ亜科 1984年7月 和歌山市 加太海岸 潮間帯 19〜22mm

模式産地:日本
分布:北海道南部、青森県西部、紀伊半島、九州、朝鮮半島
   潮間帯下部〜水深10m 砂底

追記(記事訂正):(2014年8月16日)
 先日、オフ会の夜会で集まった貝仲間とでcostatum (VALENCIENNES, 1838) キサゴとmoniliferum (LAMARCK, 1822) イボキサゴとの違いについて議論になりました。
その結果から同定を見直してこの記事の貝をイボキサゴからキサゴに訂正しました。
結論から言うと多くの図鑑の図版でキサゴとイボキサゴの同定が混乱しているように思えます。
”イボ"(疣)の有無では分けられないようです。
ご一緒した不如帰さん(友人)に多くの標本を見せてもらいました。
イボキサゴは色彩の変異が少なく模様が蛇皮模様、滑層の幅が広い、それに対しキサゴの方は色彩変異が多く模様は斑点や渦巻き状で滑層の幅が狭い。
有名図鑑で検証すると
 近海産図鑑 標本図版は両方ともキサゴ、生態写真は正しい
 決定版生物大図鑑 貝類 標本図版は正しい、解説は誤り
 学研中高生図鑑 貝Ⅰ 巻貝 イボキサゴの右下2個体は恐らくキサゴ
 標準原色図鑑全集3 貝 正しい
 原色日本貝類図鑑 正しい
 干潟の絶滅危惧動物図鑑 滑層側の写真が無いのではっきりしないですが混ざっているように思えます。

イボキサゴは本当に見る事が叶わなくなった種に思えます。

イボキサゴは潮通しの良い内湾の潮間帯や干潟に生息するに対してキサゴは外洋向きの潮下帯に生息し明らかに棲み分けをしてます。
キサゴはヒトデ類に襲われると回避行動をとるのに対し、外敵であるヒトデ類がいない干潟に生息するイボキサゴにはそのような行動は見られません。

参考文献:
原色日本貝類図鑑(吉良哲明著)
標準原色図鑑全集3 貝(波部忠重・小菅貞男 共著)
学研中高生図鑑 貝Ⅰ 巻貝(波部忠重・奥谷喬司 共著)
決定版生物大図鑑 貝類(奥谷喬司著)
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
干潟の絶滅危惧動物図鑑(日本ベントス学会編)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

チグサガイ

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Cantharidus japonicus (A. ADAMS, 1853) チグサガイ
ニシキウズガイ科 チグサガイ亜科  2001年11月 御坊市 名田町 下楠井港揚がり 名田町沖 エビ刺し網 水深20m 16mm

模式産地:日本
分布:北海道南部・男鹿半島、紀伊半島、四国、九州
   潮間帯下部〜水深20m 岩礁の海藻上

海藻の間に珍しい貝ではなく、打ち上げでも普通に見られます。
本種は通常は10mm前半の小さな貝です。
昔から伊豆半島のテングサ漁で得られる個体は大型(20mm、更に30mmを超える物もあるとか…)になることで有名ですが、テングサ漁も衰退していると話を聞きますので現在はそのような個体が得られるのか知りません。
この標本は和歌山ではかなり大きい方だと思います。
生貝だと思われますが小舟の上に落ちてた物を拾った標本でフタは失われていました。

磯焼けが全国で進んでいる今、こういった海藻を生活の場所とする貝類の減少も懸念されます。

やや小型の色違いをhiliaris (LISCHKE, 1871) ミドリチグサガイと呼びますが単なるフォームだと思われます。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

コマイチグサ

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Komaitrochus pulcher KURODA & IW. TAKI, 1958 コマイチグサガイ
ニシキウズガイ科 チグサガイ亜科  2001年11月 南部堺港揚がり 南部沖 エビ刺し網 漁労屑 水深20m 8mm

模式産地:紀伊白浜
分布:三陸沿岸?、紀伊半島、四国、山口県北部、九州、奄美大島、沖縄県
   潮間帯〜水深20m 岩礁の海藻上

kudamakiさんのブログのニシキウズ類の紹介と時を同じくして自身の標本を見直していたのですが、採集した時、撮影して拡大するまではjaponicus (A. ADAMS, 1853) チグサガイのフォーム、hiliaris (LISCHKE, 1871) ミドリチグサガイだと思い込んでいたものが本種でした。

本種の特徴は図鑑などでみると、斜めの帯状模様となっていますが拡大してみるとどうやら模様ではなく彫刻のように思えます。
近海産図鑑では『色彩は赤褐色の地に白い波状の細い線と太い線が縦方向に走る…』となっていますが、この表現は近海産図鑑の図版のような個体に対してであって、必ずしもそうではありません。
模式図鑑(Catalogue and bibliography of the marine shell bearing mollusca of Japan)のタイプ標本は私の図と全く同じ色彩のものが載っています。

色々、調べないと気付かない事も多いですが本種も和歌山が模式産地だったのですね^ ^;
こうやって、ブログで紹介する事で標本を見直し、色々調べる事で自身の勉強にもなりますね。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
Catalogue and bibliography of the marine shell bearing mollusca of Japan
(肥後俊一・Paul Callomon・後藤芳央 共著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)

イシダタミ

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labio1.jpg
Monodonta confusa TAPPARONE-CANEFRI, 1874 イシダタミガイ
ニシキウズガイ科 イシダタミガイ亜科 
  2001年7月 白浜町 椿 黒崎 潮間帯 19mm
  2006年7月 串本町 袋 河口 潮間帯 20mm

模式産地:アジア及びアフリカ(誤?)
分布:北海道南部・男鹿半島、紀伊半島、瀬戸内海、九州、中国
   潮間帯 岩礁、転石上

本種は奄美大島以南に産する大型で石畳状の顆粒が明瞭で色彩も鮮やかなlabio (LINNAEUS, 1758) オキナワイシダタミガイの本土型とされていましたが別種として分けられました。
私は田辺湾の芳養で友人が素潜りで30mm近い巨大なイシダタミを採集しているのを見た事があります。
もしかしたらオキナワイシダタミガイも本土から確認されても不思議ではないかもしれません。

下の個体は河口域で採集した少し雰囲気の異なる個体ですが、同じようなものは友人が田辺湾でも採集しています。

参考文献:
日本近海産貝類図鑑(奥谷喬司編著)
日本及び周辺地域産軟体動物総目録(肥後俊一・後藤芳央 共著)
プロフィール

Mozu

Author:Mozu
幼い頃から都会で育ち海への憧れは人一倍でした。思い出として残る貝殻が大好きです。              

私の本
ウミウサギ 
-生きている海のジュエリー
コレクター目線とダイバー目線の両方からウミウサギの魅力を紹介した私の著書です。      ご覧頂ければ幸いです。    
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